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博物館経営の研究者のBlog.
研究を中心に趣味や日常などについても紹介していきます.

地域連携というミュージアムのネットワークとプラットフォーム
年末に一家揃って急性胃腸炎になってしまい、全員うんうん唸ってました。

この忙しい年の瀬に期せずしてデトックスすることになり、あわよくば3kgぐらいは痩せてて欲しいと乙女のような願いを胸に、今も若干シクシクするお腹を抱えています。

2013年度は、芸術祭を中心に実地調査を行いました。Blogに書く気マンマンでいっぱい写真とったのにも関わらず塩漬け状態(汗)。書きたいことはいっぱいあるのですが、年を越してまでもったいぶることはせず、ソッと胸にしまいます。

来年はちゃんと発信していきますので、ご容赦ください。

芸術祭の研究は総研大の奥本さんと共同でやっているのですが、奥本さんはノットワーキングというチームワーク研究を中心に、私は経営学の社会ネットワーク理論を中心に研究しています。

Granovetterの「弱い紐帯の強さ」という有名な研究に端を発するネットワーク研究を博物館の地域連携に適用して研究しています。

今までのミュージアムの地域連携は、強いネットワークが中心だったように思います。もっと弱いネットワークの利点に目を向けて、異質な者同士のつながりを意識して地域のインキュベーターとして創造力を高めていくという役割も担えるんじゃないかと...期待しています。つまり、もっと強弱をうまく使い分けて社会とつながっていく必要があるのではないかということです。

以前仕事関係でお話を伺った某球団の方は「2軍球場の空き地にじゃがいも畑を作って小学生にお世話してもらったりしてる。とにかく色んな人に球場に来てもらうことが大切」と言ってました。「プロ野球」と「じゃがいも(農業)」という異質なつながり。同じように奥本さんのやっているサイエンスアートはスマートな好例かもしれません。

美術館でコンサートもいいですが、もっと異質なつながりを意識するのも面白いと思います。個人的には、ぜひ科学博物館で「サーフィン展」をやって欲しいと思ってます。「波の科学」と「スポーツとしてのサーフィン」だけではなく、自然環境、アート、ライフスタイルにまで広げられる面白い展覧会になると思います。

研究としては、地域連携のネットワークをもう一歩進めて芸術祭に焦点を当てて進めています。近いうちにパブリッシュできればと。


一番最近に伺った実地調査はYCAM10周年記念祭です。(※YCAMは博物館法上のいわゆる博物館ではなくアートセンター的な位置づけの施設です)

その道では超有名館「山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media:YCAM)」の開館10周年を記念した芸術祭です。

磯崎新設計のYCAM。背後の山の稜線に合わせた屋根のなみなみが印象的。


夜のライトアップも素敵。

アーティスティックディレクターは坂本龍一氏。日本が誇る世界の「教授」です。サウンドインスタレーションのForest Symphonyはテレビで特番も組まれる程で話題だったようですね。


YCAM10周年記念祭を調査対象にした理由は、単なる展示会場のひとつとしてではなく①主体的な役割を担っている点、そして②自館の経営資源(有形・無形を含む)を地域へ広く展開している点の2つに着目したからです。

ヒアリング調査の結果等は、ここで公開することはできませんが、YCAMは山口市民に馴染みの薄いメディアアートという領域に親しみを持ってもらえるように、中心商店街に公募展を実施したり、子ども向けのワークショップを展開したりしていました。

西尾美也「PUBROBE」@井筒屋前広場

一日あれば全体を見れる適度な規模で、2会期に分けることで目的や対象も変化させていたり、様々な工夫が見れました。決して大規模ではありませんが、テーマ性も目的も明確で、博物館が地域へ展開していこうとする意思がよくみれます。


ポイントは、博物館は芸術祭という色んなステークホルダーの参加を促すプラットフォームの構築主体であり、ある程度のコントロールは必要だとしても多様性を許容することが重要だという点です。もちろん、芸術祭には色々な目的があると思うので、一概に言い切れませんが、博物館の地域連携のひとつの形として研究を続けていきたいと考えています。


今年の総括的なことはあまりしませんが、2014年もよろしくお願いします。毎年言っているような気がしますが、来年はもっと発信していきたいと思います!本当に!!
 
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