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博物館経営の研究者のBlog.
研究を中心に趣味や日常などについても紹介していきます.

フィールドワーク@根津美術館
 また随分期間が空いてしまいましたが、今日から過去モノも含めコンスタンスに書いていければ…と心の中では思っています(宣言して後には引けない状況を作るのも大事!)。


さて、今日は非常勤で博物館経営論を教えている美術の専門学校のフィールドワーク(現場見学)として根津美術館にお邪魔してきました。


いま根津美術館は山口県立萩美術館・浦上記念館名品展「やきものが好き、浮世絵も好き」が開催されています。根津美術館は浮世絵を一点も収蔵していないそうですが、今回の特別展では先の2館からお借りした浮世絵を堪能できます。

一ヶ月前に伺った時には葛飾北斎の《凱風快晴(赤富士)》、今回は《山下白雨(黒富士)》と《神奈川沖浪裏》と富士山が世界遺産になることを知っていたかのようなタイミングで展示されていて、基本的に大のミーハーである私は内心キャーキャー言ってました。眼福です。


特別展の鑑賞も大切ですが、今回のフィールドワークのメインは学会でもお世話になっている学芸員さんから特に経営面に焦点を当てた講演です。

現場の方のお話は毎回勉強になることばかりで、同じ人に同じ館の話を何度聞いても新しい発見がある。学生を差し置いて質問しちゃいました(苦笑)。

コレクションの話はともかくとしても「経営(その工夫や戦略について)」の話はそれこそ企業秘密なので、ここでお聞きした話を詳細に記述することはできないのですが、私立館であること、都内の一等地かつ流行の最先端であること(港区南青山)、高感度なミュージアムの集積地であること等々から自館のポジショニングやスタンス(あるべき姿)をキチンと経営的に確立されているように感じました。

特に、広報面では、マスで手広くガサッと発信ではなく、特定のターゲットに向けて複数のチャネルでアナログ・デジタル両面から丁寧にアプローチされている事例を紹介していただきました。ミュージアムの広報は即時的なアドよりも継続的なPRの方が重要性は高いように日々感じています。つまり「関係性をどう築いていくか」、その点についても良い示唆をいただきました。

とても良いフィールドワークになったと思います。来週、学生からどのような感想が出てくるか、今から楽しみです。



カフェで一息。

カップに根津美術館収蔵の国宝《燕子花図》の意匠が!上品でステキです。



建築についても色々お話を伺いました。

この印象的なエントリーは茶室の入り方を参考にしているそうで、美術館前の交差点からいきなり入口があるのではなく、この外部空間と隔離されたアプローチを経て入口に着くことで、来館者のスイッチを美術館楽しもうぜモードに切り替えてもらおうという趣旨だそうです。

他にも内装のディテールについてもお話を聞いて、その細かな配慮に関心しました。やはり建築はハコを作って終わりではないことを改めて感じました。


フィールドワークの回数、ちょっと増やしたいなぁと思いました(笑)
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