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博物館経営の研究者のBlog.
研究を中心に趣味や日常などについても紹介していきます.

出張記1:三菱地所アルティウム・福岡アジア美術館@福岡、山梨県立博物館@甲府


先月からの福岡・ハワイ・甲府・香港の出張を備忘録的に書きたいと思います。


三菱地所アルティウム《驚くべき学びの世界》


北イタリアのレッジョ・エミリアという町で実践されている創造性に着目した幼児教育に関する企画展。前はワタリウム美術館でやっていたそうです。基本的に私はあまり行かないタイプの展覧会ですが、けっこう面白かったです。


山梨県立博物館《おふどうと名乗った家》


7年前に開館した比較的新しい県立博物館で今回初めて行きました。甲府の豪商大木家のコレクションで、たしかお坊さんを家に泊めたお礼に不動明王像をいただいたことから、商売が繁盛し、豪商となった的なストーリーです(ちょいと怪しい)。


「おふどう」印がとってもモダンで元々センスのある商売人だったんだなと思いました。商売繁盛の「不動明王像」に熱心にお祈りした結果、翌日の県立美術館の視察で、クジ引きが2等でした(ここでそんな運を使いたくない)。


この2館を挙げたのは以前のBlogエントリー「鉄道博物館」でも触れた(常設展の展示替えコスト的)展示什器のあり方に関心したからです。


三菱の方は、紙で間仕切り(パーティション)を作ると同時に、それ自体が展示什器になっている。学び=教育というところから模造紙的なイメージなんでしょう。展覧会の意図にも合ってるし、設置解体の費用(手間的な意味も含めたコスト)も安価で済むかなと思います。


山県博は常設展の方ですが、まるで工事現場の足場のような組み方が印象的です。多少雑多イメージは受けますが、バナー等を掛けるのも楽だし、その気になれば中2階やロフトを作ることもできるでしょう(安全面は難しいですがね)。



今かなり変わってきていると思いますが、基本的にミュージアムはその機関的特質とも相まってとても硬直的だと思います。企画展だけでなく、常設展も可変的な仕組みをもっと導入した方が良いように思います。


そして、施設と組織もとても硬直的です。少人数のスタッフなのにとても縦割り的な構造だし、組織間学習を促進するような仕組みもない。何よりも施設的な硬直性は絶望的なような…



そうそう、収拾つかない話なので急に変えますが、福岡アジア美術館は最近初めて行った館の中でもかなりお気に入りになりました。《魅せられて、インド。》展もよかったです。



単にインドのアートを紹介するのではなく、切手、買い物袋、便箋、マッチラベルなど風俗的なモノがいっぱいの文化人類学的な展示で、ステレオタイプのインドの印象とは違った側面を楽しめました。


またボリウッド(インド映画)を紹介する簡易屋台のようなブースではボリウッド女優の美しさに時間を忘れて魅入ってしまいました☆


このようなちょっと切り口の違うエッジの利いた展示をする一方で、美術館の入り口ホールでは館のミッションとコレクションポリシーが誰にでも見れる&非常に分かりやすく丁寧に掲示しています。


博物館経営の課題としてずっと前から「ミッション共有」が叫ばれていますが、こんな単純なこともせずにずっと同じ課題を繰り返すのは正直ナンセンスかと。


アジ美いろんな意味でお気に入りです♪


福岡アジア美術館が入っている博多リバレインのアトリウムガーデン。福岡アジア美術館のホワイエ的位置づけの空間だそうです。気持ちが良い空間です♪

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