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博物館経営の研究者のBlog.
研究を中心に趣味や日常などについても紹介していきます.

大学博物館の研究会〜研究資料活用術〜
近々具体的な話になり、ここでお話できる時も来ると思うのですが、良い機会を与えていただき大学博物館を勉強しはじめました。

マネジメントに関する大枠の問題構造は、日本の大多数を占める公立博物館と同じイメージだと思います。

【設置者の無理解】
大学の記念事業、中教審の方針、学内事情など、設置のきっかけ・目的は様々だけど作った割にはうまく活用しようと意思もなければ、何やってるか知らない、だから金は出さないという感じ(おおざっぱだな…)

【マネジメント力不足】
大学なので教職員や外部研究者などを充てがって外部に公表する資料上はそれなりに整っているように見えるが実際しっかり働いているのは数名=マンパワー不足。設置者だけではなく学内的にも無理解なので、積極的に大学博物館を使おうという研究者があまりいない上に、マネジメント(仕組みつくり)ができていない

私の理解ではこんな感じ。もちろん各館で事情は違うだろうし、もっとちゃんと勉強して物言わないといけないですね(一通り書いてから殊勝な姿勢を見せてみる)。


そして、今日の研究会の話ですが非常に面白かったです。

九大博の三島先生は、学術標本や旧機械工場など、ともすると無機質な資料や場をアーティストとの連携や活用方法で新たな価値創造を試みている。特に、旧機械工場の使い方は面白いです。

総研大の奥本さんは、サイエンスアートの話。前から聞いていたけどこの取組も面白いです。私のような文系の人間(素人)にはサイエンスとアートの融合?あまりピンと来なかったのですが今ではちゃんと観てみたいなと思います。

京大博の元木さんは、研究者と連携し、展示でうまく見せる努力を説明してくれました。X線の展示は非常に興味深かったです。また研究とは日々進化していくもので、そのような研究をニュース性あるものとして速報のような小規模展示をやるとの話はとても面白かったです。


今回の3館はどれも話の主軸が理系でしたが、でも感性的な話が重要な意味を有していたように思います。研究を単純に見せるのではなく、科学などに興味を持ってもらうきっかけとしての展示活動を意識している。そして、やり方自体も非常によく考えられていると思います。

個人的には、ここ数年「場」特異性という観点でミュージアム・マネジメントを研究しているので九大博の三島先生の取組は非常に共感できる部分もあり、敷衍していけるのではないかと思います。奥本さんと元木さんの話はもっと科学館の展示のあり方を根本から考える必要があるのかなと思わせてくれる貴重なお話でした。

また文化庁の栗原さんの上級学芸員の話はようやくしっかり聞けて腑に落ちた部分もあります。個人的には上級よりもまず今の資格課程をもっと良くする必要があると感じているのですが、上級設置の目的意識などには共感できる部分もあり、良い話を聞けたと思います。

久しぶりによく勉強できた研究会でした。


今日はこれから葉山でミュージアムサミットです。こっちも頑張らないと!


(結局まだ原美術館と科学未来館の話が書けてない…)



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