from Hirai-Laboratory web


博物館経営の研究者のBlog.
研究を中心に趣味や日常などについても紹介していきます.

更新

燃え尽き症候群ではない!

とずっと思っていた。

と思いたかったの方が正しいのかも。

 

「真鶴まちなーれ2016|風景の温度」が終わり、もう5ヶ月が過ぎようとしています。

今回も至らない点は多々ありましたが、自分の中では及第点というか、到達したいところに手が届いたと感じています。

 

まちなーれArTreasure Walkに参加してくれた方は、町に点在する作品を通して、真鶴という「まち」を知る・感じる・考えることができたのではないかと思っています。遅ればせながら、アーティスト、町民、関係者の方々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

今回のまちなーれにおける一連の出来事が自分的にはとても大きなモノになっていて、終わった後もしばらくはうまく咀嚼することができず、日々が過ぎていったという感じです。だから燃え尽き症候群ともちょっと違う。確実に得難い貴重な経験させてもらい、自分的にはレベルアップしたはずなんだけど、それが1アップなのか一気に10アップしたのか、全然分からない。得られた経験値がうまくその後の仕事に活かせてないような気がして、ずっと地に足が着いていない感覚だった。

 

ようやく最近になって、のみ込めた。というか、のみ込んだことにして次に進まないといけない状況になり、Blogを更新する気にもなったというのが実情です。

 

というわけで一回仕切り直しです。果たして本当に自分がレベルアップしたかは置いといて、ありがたいことに公私ともに嬉しい展開が多く、日々をワクワクしながら過ごしています。

 

もういい加減「頻繁にBlogを更新していこうと思います」なんて言いませんが、書くネタには事欠かない日々を過ごしています。

さて、直近では一週間ぐらいの期間で3回ほど人前で話す機会があります(うち一回は高校生対象の出前授業ですが)。

 

楽しい話になるよう頑張ります!

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2016
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

2016年3月、2回目となる感じる芸術祭「真鶴まちなーれ|風景の温度」が開催されます。
第1回目と同じくディレクターとして関わります。

初回の2014年夏は開催するだけで精一杯で、本当に色々なところへ迷惑をおかけしました。

今回もご迷惑はかけるのですが...

前回と違うところで言えば、アーティストの数を抑える代わりに全員と話し合い、作品のことを一緒に考え、それを最適な形で来場者の体験へ結びつける新しいチャレンジをしているところです。

まだまだ準備中で、ここでも言えることは少ないのですが、真鶴からインスパイアを受けたアーティストの表現をしっかりと皆様にお伝えできればと考えております。

感じる芸術祭「真鶴まちなーれ2016|風景の温度」
http://machinale.net

2015年下半期は、自分的に苦しい時期でした。
スランプのような状態に陥って、なかなか思うように物事が進まず、とにかくもがいてたという感じです。まだその状態を少し引きずってはいるのですが、皆様の助けもあり、徐々に良くなっていると信じています。新年を迎え、まちなーれの開催も迫っていますし、心機一転、頑張っていきたいと思います!

そして、いま香港にいます。
非営利または公的なアートスペースの設立目的や活動の調査です。


満月でもなければ、有名な泰昌餅家でもない、どこでも買えるけど個人的にNo.1の蛋撻

1月末は期末試験や入試、2月にはレジデンスが開きアーティストたちが制作開始、3月はまちなーれ開催というスケジュールの中で、このタイミングしか訪港できなかったというわけですが...

個人的には、新年早々、この嫌な流れを断ち切る良いタイミングでした。
でも期中なので平日も含めた大胆な日程は組めず、制約のある中での調査でした(汗)。
今回はあくまでプレ調査であり、今後本格的にウォッチしていくかを確かめるために行ったのですが、思わぬ収穫もありもう一度ゆっくりとピックアップしたポイント全部まわってみたいと考えています。

今日は午後には帰国するので、朝からいつも必ず足を運ぶ大好きなカフェでコーヒーを飲みながら、今回の訪港をまとめているところです。
この話は稿を改めて書きたいと思います。


このカフェのアイコン。この絵と空間と周辺環境が大好きなんです。ちなみに豆はBlue Bottle Coffeeです。


まちなーれのPRもあるので、2016年はちゃんと書くぞぉー(←いつも言ってる)。


最後に皆様、改めてまして、本年も何卒よろしくお願い致します!
2016年は、軽やかにスキップしながら楽しく仕事していこうと思います!


平井宏典
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世界を旅するBookpacker裏話①〜企画の作り方のさらなる裏話
2015年度前期プロジェクトは開催期間が一週間しかないので、27日の今日はすでに折り返し地点。残すところ後3日です。
先日来、学生たちが「企画が出来るまでの裏話」をFacebookにあげているので、担当教員からみた「さらなる裏話」をここで書いていきたいと思います。

まずは学生たちが書いた企画の初期段階の話。

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Bookpacker裏話①〜企画の作り方編〜
私たちが、この企画をすることになり、目指したのは「本を読まない人にも興味を持ってもらえる企画」を原点とし、そこから普段本を読まない人だけではなく、本が好きな人にも「素敵な本との出会い方」をしてもらえるものでした。

学生みんなで時間を合わせて、会議、会議、そして授業でのプレゼン。
これを繰り返してきたなか、生まれてきた企画もたくさんありました。

今回はその中の一部、特にブックパッカーに至るまでに大きく関わった二つの企画を、それまでの歴史を含めながら紹介していきたいと思います。

まず最初に出てきたのが、本を異空間で読む。という考えから、『本夜』という企画の誕生です。
これは、暗くした空間で読書灯を使い、本を読もう。という企画だったが、目玉となるイベントとしては物足りなさを感じたために再考しました。

次に、本を暗くするだけでなく、その空間を活かせる方法はないのだろうか?という+αを求め、夏の夜には「花火!」ということで、『真夏の本夜 〜青春×本夜〜』の完成しました。
暗くした空間の中で、プロジェクターによる花火投影を行えば目玉イベントとしてなりうるのではないだろうか。と考えました。

そしてこの企画と並行して作られていたものが、『銀河鉄道SL号』です。
こちらは当初、夜→宇宙→銀河、星座という発展から、宇宙空間を投影して宇宙を演出するイメージでしたが、最終的にはSL車内をイメージした空間作りをすることになりました。
企画のメインとして考えられたのが、鉄道要素として挙げられた「切符」です。この行き先の書かれた「切符」をご購入していただき、本と交換するというものでありました。

この「切符」がのちにこの企画の中枢となっていき、ここから新たな企画へと発展していくのでした。

Bookpacker裏話②へつづく。

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4月からスタートした産学連携実践論は、まずコンセンサスゲームやチームビルディングのワークショップを何回か実施し、企画づくりの基礎となる思考法などのレクチャーの後に、2チームに分かれて実際に企画案を作成し、コンペすることにしました。

私が学生たちに提示した条件は以下の3点です。
①夏休み期間に実施することから「時期的な意味付け」もしくは「季節感を出す」ように心がける。
②書店員さんではコスト的に困難なものにすること。
 ソリッド&リキッドにとってもチャレンジが企画であること。
 →これはお金面ではなく手間のことです。
  通常の業務に関係なく本企画に集中できる人員が10名近くいるわけなので、
  その利点を活かすことを心がけるという意味です。
③書店、雑貨、カフェの3つが一体となった新業態の店舗なので、
 その強みを活かした企画にすること。
 →つまり通常の書店で行われるようなブックフェアでは意味がなく、
  ソリッド&リキッドでなければできない企画にすること

学生たちは特に③に着目し、ソリッド&リキッドならではの「カフェ」という空間で面白い試みができないか思案していました。
個人的に建築が好きなので「空間を変容させる」という考え方はとても興味をひきました。

「本夜(ほんや)」をキーワードに明るい店内にあえて暗い場所を作り出し、そこで本を読みながら過ごす時間を特別なものにするというコンセプトの下、上記の通りプロジェクションマッピングのような手法で暗い店内で夏の夜の花火大会をするというA案と、夜から宇宙へと連想していき銀河鉄道にたどり着いたB案の2案が提出されました。

個人的な興味関心で言えばA案の「夏祭り+駅前花火大会」というのは単純に面白く感じました。店舗全体を夏祭りのように仕立て、雑貨(物販)も含めて売上を考える。しかし、問題は肝心の「本」を売ることにはつながりにくい企画でした。

一方のB案は「切符」というアイデアは抜群でしたが、この時点ではかなり銀河鉄道の夜にひっぱられていて、物語に広がりがなく、その必然性も感じませんでした。

一長一短といった感じの両企画をもっと練り上げ、企画プレゼンをして直接ソリッド&リキッドに選んでもらうことになり、そこから学生たちは短い時間の中、授業時間外の昼休みも放課後も潰して企画会議を繰り返していました(続く)
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世界を旅するBookpacker企画スタート!@2015年前期産学連携実践論
8/24から町田マルイ6Fのソリッド&リキッド リーディングスタイル プロジェクト マチダ様で2015年度前期プロジェクトがはじまりました(8/30まで)。

和光大学に着任して3年目(現在2年半)、ということでセメスターで換算すれば5期分が経過し、プロジェクトも5回目です(履修生は3期目)。

今回の舞台は書店と雑貨とカフェの3つが一体となった新業態の複合書店「ソリッド&リキッド」。丸の内のKITTE内にあるマルノウチリーディングスタイルの系列で、いま注目の新しい書店です(書店と括っていいのかな)。

同店の北田マネージャーの協力の下、企画を進めているのですがここのブックフェア(企画)はすこぶる面白い。

【BIRTHDAYBUNKO】
作家の誕生日ごとに1年365日分の特製カバーがかけられた文庫が棚にズラッと並ぶ。自分と同じ誕生日の作家の本を手にすることができる。

【ブランチャート】
「人生編」や「仕事編」といったジャンルに分かれ、チャートに沿って「Yes」または「No」と質問項目に答えていくと番号の本にたどり着く。

よくあるブックフェアでは設定されたテーマに沿った本がズラッと並んでいるといったイメージだけど、ソリッド&リキッドの企画はちょっと違う。本が売れないと言われる時代に、「本との出会い方」を重視しているように感じる。
電子書籍なら店舗に行かずとも時間も気にせずコンテンツを入手できるし、読みたい本が最初から決まっているならAmazonで買った方が便利な場合もある。そんな中で、リアルな店舗だからできること、新しい本との出会い方や楽しみ方を探求している姿勢がよく伝わってくるステキなお店です。

そんな素晴らしい提携企業と一緒に新しい企画に挑戦できるのは担当教員の役得です。
さて企画は一週間という短い期間なので、明日で早くも折り返し地点。明日もこの企画「世界を旅するBookpacker」について書きたいと思います。

世界を旅するBookpacker特設Facebookページ
https://www.facebook.com/wakobookpacker2015?fref=ts

Slid & liquid ソリッド&リキッド マチダ Facebookページ
https://www.facebook.com/pages/Solidliquid-ソリッドアンドリキッド/667876799974426?fref=ts
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指定管理者制度による博物館運営の現場から:その実践と課題
珍しくちゃんとその日のうちに書きます。

本日は日本ミュージアム・マネージメント学会創立20周年記念大会の一日目。

2015年度から「多様化する社会とミュージアム」を3年間のテーマとし、今年度のサブテーマは「組織のマネージメント」。その端緒となるのが以下のパネルディスカッションでした。

指定管理者制度による博物館運営の現場から:その実践と課題
 司   会|緒方泉先生(JMMA理事・九州産業大学美術館教授)
 パネリスト|黒川和男氏(足立区ギャラクシティ館長)
       大高一雄氏(千葉市科学館館長)
       大堀哲氏 (長崎歴史文化博物館館長)

指定管理者制度は博物館に適していないといわれ早10年を過ぎ、根強く残る批判の代表格は「専門職の長期育成が困難」「事業の継続性」の2点かと。このどちらも指定管理の期間が通常3〜5年程度であり、打ち切り(指定管理者の交代)の可能性をはらんでいるということに起因する。

前者について、3館の館長は明快にNOと言いました。論旨はだいたい以下の通り. . . 

まず専門職=学芸員=研究者と考えれば、いま大学の教員等も任期付は珍しくない。

確かに指定管理期間の終盤になってお尻がムズムズしているような人を見るのは忍びないし、生活設計が困難なのは不憫に思うが、そういう厳しい世界に身を置いたことを認識(覚悟)するしかない。

それに優秀な人は指定管理者が交代しても残るし、首なるより早く他にひっぱられるとのこと。
↑これ身も蓋もない話。でも事実(苦笑)

話が人材育成というより、いつのまにか雇用の不安定さになってたけど、仰る通りかと。
議論が日本的な終身雇用を前提としている時点で偏った意見になってしまっているようにも感じる。
大学では人材は流動的だし、研究者が所属を変えるのは決して珍しいことではない(その善し悪しはともかく)。

地域社会と濃密な関係の上で成り立っている小さな郷土資料館のようなところで、職住を共にして長く務めるその地域の生き字引のような学芸員がいることは良いことだと思うが、館種によっては人材流動化が館の経営に大きな損害をもたらすとは考えにくい。



また後者(事業の継続性)についても、3館の館長とも明快にNOと言いました。論旨はだいたい以下の通り. . . 

そもそも誰も3または5年後に終わると思って仕事をしていない。
もちろん指定管理者が交代になる可能性はないわけではないが、そうなった場合、自分たちが計画してきた中長期計画で良い面があれば引き継いでもらえばいいだけの話。

そもそもキチンと評価して、ちゃんと実績を出していれば、打ち切られるわけではない。しっかりと事業を続けていける。


今回の話、納得できる部分がとても多く、勉強になりました。私も継続性の問題は一考に値すると思いますが、ある期間を区切って、その経営が適切かどうか評価を受けるプロセスは必要だと常々思っています。

指定管理者制度については、制度の問題と運用の問題がごちゃまぜになっていて、私は騒がれている問題の多くは運用でどうにかなる(工夫次第でどうにかできる)レベルだと思います。

それよりも、制度設計時の所期の狙い通りに指定管理者制度を導入しているか?
とりあえずできる施設は一律に制度導入することを決めて、適当な金額を設定して「○百万円でまるっと全部やってください」みたいな形になっていないか?ということの方がよっぽど注視すべき事象だと思います。

行政側は設置者としての責任をキチンと果たせるガバナンス体制を構築する気があるか。博物館側は制度うんぬんよりも工夫しなければいけない面が多々あるのではないか。制度ができてから10年以上経ち、改めて組織の問題として向かい合うならこの辺は議論の前段として整理しておきたい気がします。

それとこうした成功事例といっても良い3館の話をそのまま地方で苦しむ小規模な公立博物館に敷衍していくのは少々難しいとも思います。もう少し成功要因の分析等が必要かと。個人的には指定管理者側も色々な形態(例えばJVなど)があるので、その形態の分類や特徴を明らかにしてみるのも面白いなと思いました。

さて明日は会員研究発表の第2会場の司会をやります。いろんな研究発表が聴けるので今から楽しみです!
 
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